ナンタケットバスケットとは・・・
アメリカ東海岸のニューイングランド、マサチューセッツ州にある Cape Cod の沖30 マイル(約50 km)の大西洋に浮かぶ小さな島、ナンタケット。
この島に住む捕鯨船の漁師達がフィリピンや南の島から持ち帰った籐と、鯨から採れる油を入れる樽を作る技術が出合い、作り上げられたものがナンタケットバスケットです。
歴史的背景により生まれた美術品であること、技術を継承するものが少ないことなどから
希少な存在としてアメリカ上流階級で認識されています。
本来は完全オーダーメイドで制作され、材料の一部には象牙、クジラの歯牙、化石化した動物の牙類などを使用するため
素材の希少性からも一つ一つのバスケットはオートクチュール化された『籠』となり高額な商品となっています。
先ず、モールド(型)にベースになる板をセットし、縦にケーン(籐)をさしていきます。
そのケーンに細いケーンで編み上げていき、小物入れとして使えるキャンディーバスケットや持ち手を付けてバックとして使うものに仕上げていきます。
1㎝編み上げるのに数時間かかることもある細かい作業ですが 繊細で正確な仕上がりになればなるほど、だれもが目を奪われます。
作業工程は決して簡単なものではありませんし、力も必要ですが、苦労した分、愛着もひとしおです。
文章にすればこのように数行で終わってしまいますが、ナンタケット島外に決して出さない技法を固い絆を作ることで習得し、島外に持ち出す許可を得た
New England Nantucket Basket Association 主宰 八代 江津子師。
その絆を大切に伝承していきたいと考えています。